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テーマ2 日本型技術イノベーション創出サイクルの体系化
2-2 無形資産の在庫マネジメントの理論と手法


tanaka
大学院イノベーションマネジメント研究科 知的財産マネジメント講座
准教授  田中 義敏

専門分野: 企業戦略と知的財産
キーワード: 知的財産権、未活用特許、活用実態、未活用原因分析、活用度評価、活用度向上マネジメントモデル
電子メール:
電 話: 03-3454-8947  Fax: 03-3454-8947

現在の研究内容と目指すもの


  1. 独占排他権を付与された知的財産権は、ビジネスの成長と強化に活用されて始めて意味がある。現在わが国が抱える膨大な未活用特許の存在に着目し、知的財産がわが国産業の国際競争力を強化するためのマネジメントモデルを開発する。
  2. このような視点に立脚して、以下のテーマにつき研究中。
    1. 経営戦略と知的財産活動とを連携させる要因および手法
    2. 企業の各機能組織における知的財産マネジメント
    3. 知的財産権活用の阻害要因
    4. 技術移転コーディネーターに求められる能力
    5. 海外進出時の国際知的財産マネジメント

COEプロジェクトで遂行する研究テーマ



無形資産の在庫マネジメントの理論と手法 (阻害要因分析)

  1. 企業経営における知的財産権活動の役割分析
  2. 企業の各機能組織内に存在する阻害要因分析
  3. ビジネス・法律・技術の3つの視点から見た阻害要因分析

「企業経営における知的財産活動の役割分析」では、文献調査やヒヤリング調査を中心とした企業内での知的財産活動の実態調査を行い、ここから得られる知見を基にして、知的財産活動が企業経営に与えるIPインパクト理論の構築を試みる。

「企業の各機能組織内に存在する阻害要因分析」では、営業、マーケティング、製造、開発、人事、経理などの各機能組織における知的財産マネジメントのモデルを提唱し、当該モデルと実態との Gap Analysis を行い、知的財産権が有効に活用されない状況をもたらす阻害要因を抽出する。

「ビジネス・法律・技術の3つの視点から見た阻害要因分析」では、まず、新製品の事業化プロセスにおいて知的財産権が果たす役割を明確化する。次に、事業化される新製品に採用されている技術と知的財産権で保護された特許発明の技術的範囲との包含関係を分析する。さらには、技術開発・進化のプロセスを踏まえた知的財産戦略の構築を試みる。

以上から得られる知見を総合し、今日産業界が抱える膨大な未活用特許が生じた原因を分析するとともに、これを未然に防ぐ知的財産マネジメント手法を提案する。