先月「はじめに」を書き終えてから「そもそもなんでアメリカに1年間居ることになったのか」という基本的な前置きに一言も触れていないことに気が付きました。というわけでこれは補足みたいなものです。
私はいま東京工業大学という国立大学の教官なのですが、今年度、文部省から「在外研究員」制度の適用者に選ばれたのでした。この制度は、例えば私の様な教官が大学に籍を置いたまま、一定期間外国の大学や研究機関に「出張」して、そこで現地の研究者と一緒に研究をする、というものです。制度の種類にもよりますが、私の場合は1年以内の滞在が認められています。
ただ、一つ困ったことは全く同じ制度が欧米の大学に無いので、うまく説明することばが見つからないことです。欧米の大学にある似たような制度に「サバティカル」 (sabbatical) というのがありますが、少し違います。サバティカルは報酬的な意味合いが強いようで、おおむね7年間に一回、1年間職務を離れる権利を認められることが多いようです。一方、日本の在外研究員制度は勤続年数など一定の条件を満たせば毎年応募できますが、いつ選ばれるか(少なくとも応募者は)予想が付きません。また、サバティカルのように一定期間ごとにチャンスがあるのではなく、「次」はあるのか無いのかもわかりません。というわけで若干の違いがあるので、私やそのほかの日本の教官は、外国の人にこの制度を説明するのに "sabbatical leave" という言葉を使っています。(もしかしたら他の人は他の言葉を使っているかも知れませんが...よかったらメールで教えて下さい。)
今年私は卒業式にも謝恩会にも出られないことになってしまったので、代わりに今日研究室内でささやかなパーティーを催しました。私は卒業生の卒業を祝し、学生は私の出発を祝してくれました。私は彼らに何もあげないのに学生は(ファビアナまで!)持ち帰るのに困るほどの花とプレゼントをくれました。そして事務官の方、他の研究室の学生、そしてOBも何人か来てくれてとても感激しました。
出発はもう目前です。
