出発の日。
つい先週まで自分の研究の仕事とその他片づけなければならない仕事にかかりっきりだったため、今回荷造りにかけられた時間は実質的にほんの数日でした。1日か2日で研究室の本や書類を段ボールにつめてちらかった部屋を片づけて、そして自分の家は結局ほとんど24時間で荷造りをする羽目になりました。
そんなありさまなので荷造りは出発の日の早朝まで続きました。それでも「そこを覗いてもいないものの山」が結局残ってしまいました。どうしようかと思いましたが、悪魔が耳元でささやきました。「結局あそこにあるものはこの1,2年一回も使わなかったものじゃないか。来年1年間の間に必要になることなんかないって。」私は素直に納得してそのまま放置することにしました。荷物はやはりスーツケースに収まりきれず、仕方がないので国際ゆうぱっくの段ボール2箱を組み立ててその中に詰め込み、成田空港まで持っていって空港地下の郵便局から送ることにしました。もう少し前々からやっていればこんな羽目にはならなかったのですが...
いよいよ出発しようという段になって -- 荷物を全部玄関に並べ、窓という窓に鍵をかけ、部屋中を最後にもう一回見回りながら -- 急に何かたまらなく不安になって悲しくなってきました。初めて起こる感情でした。これまではもうデイトンに行くのが待ち遠しくて仕方がなかったのですが... しかし、急に、住み慣れたこの家を離れ、一人見知らぬ土地に行くのが不安になり、このままここに留まりたいような感情が起こりました。
しかし、幸いなことに前の晩一睡もしていなかったことが、感傷的な気分からすぐに抜け出させてくれました。成田でも家族に見送られながら笑顔で旅立つことができました。そしてやはりおかげで成田からオヘアまでのフライトはとても快適でした。11時間の飛行時間のほとんどを眠って過ごすことができましたので--少しばかりのワインの助けを借りて。
シカゴのオヘア国際空港では、巨大な恐竜(の骨格模型)とジャズに迎えられて、短時間ながらも快適に過ごしました。空港は大きいばかりでなく、とてもきれいで快適でした。確かに成田もきれいで設備の整ったすばらしい空港だとは思います。でもこの快適さの違いはなんでしょう?私の非常に限られた見識からですが、オヘアは「ボトルネック」を作らないようにうまく設計されているというのが一つ大きな違いなのではないでしょうか。オヘアの入国管理ゲートは十分な数が空いていて「え?」と思うほどの時間ですみました。ターミナルを結ぶモノレールはすいすい走って誰も行列なんか作っていません。そして、ユナイテッド航空のチェックインカウンターのあの数には圧倒されました。あれだけあれば待たないでしょう... それに比べて、成田では至る所で行列があります(少なくとも私がいつも使う第一ターミナルでは)。今回出国管理を通過するのに軽く30分は待たされました。(もちろん今が春休みだと言うことはあるとは思いますが!) それに、いつもアメリカから帰ってきて到着ロビーに向かう途中で気の毒に思うのですが、成田で乗り継ぎをする人が次の便のゲートに向かう前の保安検査の長い列!もちろん、これは日本とアメリカの違いだと言っているわけではありません。アメリカにも行列のできる空港があることは知っています。でも、ここオヘアはその点とても快適に乗り継ぎの時間の滞在をすることが出来ました。
ほんの1時間の短いフライトの間に、窓の外の景色はミシガン湖の湖畔の大都市から、見渡す限り農場と道路と家の大平原に変わり、飛行機はライト兄弟の飛行機が飾られた「航空発祥の地」の空港へと着陸しました。
デイトンに到着です。

