私がデイトンに来てから2週間があっという間にすぎました。フラック教授と私は、私がここでの生活を立ち上げるのにだいたい1週間かかるだろうと予想していましたが、実際の所2週間たった今でもまだまだやることがたくさんある始末です。もちろん一つの原因は私が時間の使い方が下手で何をやるにも効率が悪すぎるということがあるとは思いますが、私が苦労したもう一つの原因はソーシャル・セキュリティ・ナンバー(Social Security Number; SSN) でした。
もちろんアメリカのソーシャル・セキュリティ(・ナンバー)の制度が悪いと言っているわけではありません。アメリカに住んだことのある人はもちろんご存じですが、もともとソーシャル・セキュリティというのは定年後などの給付金制度の総称で、アメリカで就労可能な納税者に全員加入が義務づけられているというもの。で、これに加入すると番号(SSN)が記入されたカードがもらえるのですが、実際には、合法的な(=まっとうな)アメリカ市民および滞在者なら全員この番号を持っているはず、という国民ID番号のような意味合いで使われているようです。
逆に言うとこの番号がないと自分が、アメリカ社会の一員として身元の確かな人間であるという証を立てにくいわけで、ここアメリカでは何をするにも不自由な思いをすることになります。電話を引くにも、銀行口座を開くにも、大学の身分証明書を作るにも、そして車を買うにも(車関係にはもう一つ, オハイオ州の運転免許証が無いと不自由するのですが、これはまた後日)。パスポートを見せればなんとかしてくれるところもありますが、銀行のように「とりあえず作るけど後日 SSNが来たら必ず知らせろ」と言うところ、あるいは電話会社の様に「SSN を取得するまではサービスを提供できません」と言うところの方が全然多いのです。
私はここデイトンに到着した次の日に早速市中心部にあるソーシャル・セキュリティ・オフィスに行ったのですが、パスポートや大学からのレターなど必要書類のチェックがすべて終わった後に「カードがあなたのところに届くまで10日間から2週間かかります」と言われました。さてそれからの間、あちこちで「SSN は?」と聞かれる度に「今申請中なんですけどまだ来ていないんです」と答えて相手がどう反応するかうかがう、ということの繰り返しでした。そしてさらに電話会社が SSN なしではアパートに電話を引いてくれない、と言ったために「自宅の電話番号は?」という問いにも答えられず、私は住所だけはあるけど連絡のつかない身元の怪しい人間で、それが問題をさらに悪化させていたように思います。(ただ、大学の学科の素晴らしい事務スタッフが速やかに私のオフィスの電話を手配してくれたために、間もなく大学の机の電話番号を手に入れることが出来たため、本当に助かりました。)
そしてついに、と言うかやっと、先週の金曜日に私のソーシャル・セキュリティ・カードが手元に届きました。そしてすぐに電話会社に電話したので今日(電話会社がさらにそれから48時間(!)必要だと言うので)、ようやく家の電話番号を手に入れることができました。さあこれからは、あとでSSN と家の電話番号がわかったら知らせろと言われていたところに山ほど電話しなくてはなりません。でも、これで状況は大幅に改善されました。
おそらく私のカードなど見せたところで誰の興味も引かないでしょうから、代わりにキャンパスの写真を幾つか載せておきます。今キャンパスのあちこちで、桜に似た木が白やピンクの小さな花を付けていて、日本人の私としては桜が思い出されて、余計に春の気分がかき立てられます。キャンパスは、春学期(spring quarter)が始まったばかりで、活気に満ちています。
