オペラの夜 - 2000年4月30日


週末の土曜日はオペラに行って来ました。といっても、別にヨーロッパのオペラハウスの20000円もするような公演ではありません。ライト州立大学の音楽科 の学生による公演です。

なんだか梅室は毎週末なにかしらのイベントに遊びにいってすっかり遊んでいるように見えるかも知れませんが... 私が土曜日の公演を知ったのはほんの偶然でした。土曜日私は朝の9時から午後3時ころまで大学で仕事をして、その後大学近くのショッピングモールに買い物に出かけました。そして買い物をしているうち、大学に忘れ物をしたことに気が付きました。すぐに車に乗って大学に向かい、交差点で信号待ちをしている間に何気なく見たナターセンター -- キャンパスの一角にある巨大なスタジアムですが -- の前の電光掲示板に広告が出ていたのです。「オペラ「イオランテ」, 4/29 午後7時半より, 4/30 午後3時より, クリエイティブ・アート・センターのコンサートホールにて ... 」

私はそのままキャンパスにもどり、オフィスに寄って忘れ物をとるとその足でクリエイティブ・アート・センターへ向かいました。このセンターは、音楽、演劇、美術など芸術に関する学部のための建物ということで、中にコンサートホール、劇場、画廊があります。3月に来てからまだ一回も中に入ったことがなくて(去年の8月に来たときはフラック教授に中をざっと案内してもらったのですが)、今回初めてゆっくり中を歩き回ってみました。ところが、コンサートホールに行っても今夜のコンサートの情報の掲示がありませんし人も誰もいません。そこで学生会館(Student Union ビル)のプレイガイド(box office)に向かいました。そこも閉まっていましたがチラシを手に入れることができ、当日券もあるということを確認できたので、私は家に着替えに帰りました。

再び会場に到着したときには、大勢の人がしゃべりながら開演を待っていました。私は$10出してチケットを買って(ちなみに前売りの学生料金だと$5)、初めてコンサートホールに入りました。ホールはそれほど大きくはありませんでしたが、とてもよいホールに思えました。ピットにオーケストラはさすがにいなくて、代わりにコンサートグランドピアノが置いてありました。そうこうしているうちに、開演のベルの代わりに客席の電灯が点滅(!)して、公演が始まりました。

演目はギルバート&サリバン(Gilbert and Sullivan)の「イオランテ」(Iolanthe)でした。せりふも歌もすべて英語だったので(ドイツ語やイタリア語ではなかったので)、私も内容をなんとか理解することができて楽しむことができました。私はオペラにはあまり詳しくはないのですが、このオペラは2時間ちょっとのオペラとしては小品なのだと思います。物語は妖精と貴族のおとぎ話でとても楽しく、そして学生の歌も演技も素晴らしいものでした。(それはそうですよね。かれらは声楽を専門に勉強しているのですから!)演出も良くてユーモアをたっぷり盛り込んでおり、とにかく観客は笑ったり大きな拍手をしたりして皆とても楽しんでいました。カーテンコールの後、俳優(歌手?)さん達は舞台衣装のままホール入り口まで出てきて、観客と一緒にしゃべったり写真を撮ったりして遅くまで楽しんでいました。

大学に芸術の学科があると、手軽に芸術に親しむ機会が増えて良いですね。公演はすぐ身近であるし、質は高いし値段は安いし。センターの劇場では演劇やミュージカルの公演もありますし、ギャラリーでは展覧会もやっています。もちろん、東京でも多くの、しかも質の高いコンサートや展覧会を見ることはできますが、一般にコンサートや展覧会のチケットは高いし、それにコンサートを見終わったら、電車に乗って一時間以上かけて家に帰ってこなくては行けません。一方ここでは、若い芸術家の芸術を数ドルから楽しむことが出来ますし、コンサートが終わったら15分車を運転して家に帰るだけ。あるいはその辺で遅い食事を楽しむこともできます。

さすがにオペラの公演の最中に写真を撮るのは気が引けたので、代わりにクリエイティブ・アート・センターの中の、コンサートホールと劇場の入り口前のホールの写真を載せます。ここで、夜、妖精たちが歩き回ったりおしゃべりをしている所を想像してみて下さい。そして今私は5月に劇場で開幕する「コーラスライン」を見るのを心待ちにしています。


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Hiroyuki Umemuro
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