じ・ぶ・ん・で! - 2000年5月25日


インターネットを使っていろんなことができるようになりました。本を注文したり、銀行の口座の残高を調べたり、ホテルの予約をしたり... しかし、本当に便利になったのかな?と思うことがたまにあります。

私は、今年の8月にアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで開催される国際会議に出席する予定になっています。ここ数日その準備と、もう一つ来月週末を利用して予定しているアメリカ国内の小旅行の準備をしていたのですが、今回もついついそう思ってしまいました。

インターネットで航空券を買う。あるいはホテルを予約する。希望する便なり部屋なりがすんなり取れて、クレジットカードの番号を入れてはい完了、となればもちろんそれはハッピーです。自分の好きな航空会社の、好きな便の好きな座席まで指定できて、満足でしょう。でも、あまたある選択肢から便を選んで、一つ一つの便の座席まで選んで、自分の名前やクレジットカードその他細々した情報を全てタイプして、ようやく完了、と思ってボタンを押した瞬間、「クレジットカードの住所が確認できません」と表示された日にはどうしましょう?結局航空会社なりオンライントラベルサービスのフリーダイヤルに電話をして、顧客サービス担当者に「これこれの予約をしたらこういうことを言われたんだけど、どうなってるんでしょうか」と聞く羽目になります。また、希望した日に、希望していたホテルが取れなかったときにどうなるでしょう?Yahoo! Travel などで探すと、大きな街ではそれこそ何十件のホテルを表示してくれます。ファミリーホテルからトップクラスまで。その街に詳しい、あるいはお気に入りのホテルが有る場合はまだ良いですが、初めて行く街で、しかも私のようにアメリカのホテルの名前に精通していない場合には、画面に出てくる個々のホテルの説明を読んで、インターネット上で地図にその場所を表示させたりして、その上で価格と相談しながら決めることになります。そんなことをしていたため、ここ2、3日はほとんど仕事になりませんでした。

よく言われることですが、これが、旅行代理店に依頼して全て手配してもらってる場合なら、おそらくクレジットカードの認証の不具合も、希望したホテルが取れないときに代わりに良さそうなホテルを探すのも、すべて代理店がうまく -- 少なくとも客である我々には見えないように -- 処理してくれて、必要最低限の質問だけ我々にした上で最終的なプランだけ提供してくれるでしょう。そしてそういった「困ったとき」の処理は彼らの方がずっと慣れているのですから、ずっと短時間でこなしてくれるでしょう。さらに、最終的にホテルを決めなくてはならない場合でも「(プロである/情報をたくさん持っている)旅行代理店が勧めてくれるのだから」と思える、すなわち意志決定を自分でしなくていい、もっと言えば人のせいにできるという気軽さもあります。結局はインターネットに限らず自由主義のコスト面 -- 自由なことをしても良い代わりに、起こったことの責任は全て自分で持つ、選択肢が広い代わりに自分で責任を持って決めなくてはいけない -- の典型的なものを被って苦労していたということなのでしょう。今回、旅行代理店という商売は -- 少なくとも計算機の上でそれらの仕事を変わってやってくれる高性能のエージェントシステムが実用化されない限り -- しばらくは無くならないな、と思いました。

5月25日付のYahoo! Japan News (ロイター)の記事によれば、英ヴァージン・グループのブランソン会長は「ボーイング機を購入する場合、インターネットではなく電話で直接注文するだろう」とコメントしたそうですが、なんとなく氏の気持ちが分かるような気がします。(氏にしてみればおまえと一緒にするな!と怒るかもしれませんが)

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Hiroyuki Umemuro
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