"つながってる"キャンパス - 2000年10月5日


ロンドンっ子や日本人と違って、デイトンの人は滅多に傘を持ち歩きません。雨が降ったらただ濡れて歩くだけです。夏の間は、ひどい雨が降り出してもすぐに -- 30分かそこらで -- やむと思って間違いないし、それに湿度が日本と比べれば低いので濡れてもわりとすぐに乾きます。そしておそらく最も大きな理由は、ここではみな車で移動するので、濡れて歩かなくてはいけない距離なんか高々知れていて、駐車場から学校のビルに入るまでの間とか駐車場から店に入るまでとかそんなものだからでしょう。

しかし、今秋を迎え、雨は長く降り続くようになり、気温もかなり下がってきました。そこでぐっと重要性を増してきたのが、トンネルです。驚いたことに、ここライト州立大学では、キャンパスの全ての建物が地下のトンネルでつながっています。ですから、外が雨だろうが竜巻だろうが雷だろうが雪だろうが、どこでも好きなところに歩いて行くことができます(走ることは固く禁じられており、実際誰も走っていません)。そしてトンネルの中は歩いて移動するだけでなく、途中に置かれている机に座って勉強したり、あるいは自動販売機で食べ物や飲み物を買って食べることもできます。

このトンネルネットワークのもう一つの重要性は、車椅子の人に自由なアクセスを提供していることです。トンネルの中は若干の緩やかな斜面を除いてほとんど平らで、段差は一切ありません。そして全ての建物には必ず地下のトンネルに直接出られるエレベータがあります(勿論車椅子のまま乗れます)。つまり、一旦トンネルのネットワークに入ってしまえば、トンネルとエレベータを使えばほとんどどんな建物のどんな部屋にでも行けるのです。教室であろうと食堂であろうと図書館であろうと。そしてさらに素晴らしいことには、キャンパスの中に一つ斜面に立っているビルがあり、その建物は一つの側では一階が地面に面していますが、反対側は地下一階が地面の高さになります。つまりトンネルから直接地上に出られるのです。そして、その出口のすぐ前には、車椅子で乗り降りできる路線バスのバス停があって、それに乗るとダウンタウンまで一本で行くことが出来ます。バス停の近くには車椅子専用の駐車場もあります。なんと素敵なシステムでしょう!(また、キャンパスの地表もほとんど段差らしい段差はなく斜面があるだけです。そして全ての建物には車椅子に乗ったまま開閉できるスイッチが備わったドアがあります。)

トンネルの中には人々の行く道を妨げるものは何もありません。車椅子に乗った人、目の見えない人、そしてその他の人々が自由にキャンパス内を移動しています。そして私は、オフィスの寒すぎる冷房から逃げ出してトンネルの中で仕事をしたりコーヒーを飲んだりしながら、そうした自由な人々を見るのが大好きです。

地下の道案内トンネルの中でも勉強


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Hiroyuki Umemuro
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