2週間ほど前ですが、私達の学科のWeber教授が週末のドライブに誘ってくれました。当初のもくろみは紅葉を見に行こうという事だったのですが、どうもここ数週間の変な気候のせいか紅葉の進行が変な具合になってしまっているようです。とっくに葉を落としている木もあれば、まだ緑色の葉を付けている木もあるという具合に。それはともかくとしても、その日は本当に素晴らしい天気で、大自然の中でのピクニックを満喫することができました。
私たちの目的地はオハイオ州の南東部にあるホッキング・ヒルズ (Hocking Hills) と呼ばれる地域でした。オハイオ州は基本的にひたすら真っ平らな土地です。太古にカナダから氷河がやってきて、現在のオハイオ州の約2/3の土地を平らに均してしまったそうなのですが、ホッキング・ヒルズは氷河がやってきた地域のちょうど南(南東?)の境界近辺にあるようです。ですからここでは高い山はないものの、美しい丘や岩場、そして渓谷や滝などを見ることが出来ます。
ホッキング・ヒルズには幾つかの州立公園が集まっていますが、公園はとてもよく設備が整っていて、歩きやすい遊歩道や橋、渓谷へ降りる階段、そしてこの地域の自然についての展示がしてあるビジターセンターなどがあります。また、多くの観光ポイントには、ちゃんと車椅子でそこへ行けるルートが併設されています。 Weber教授の話によれば、今世紀初めの恐慌の時、政府は雇用を生み出すために多くの予算を使ってこれらの州立公園の整備を行ったそうです。投資がきちんと人々と自然保護の役に立っている。素晴らしい政治判断だと思いました。
さて本当にその日は素晴らしい天気で、私達は渓谷沿いの遊歩道を歩き、巨大な洞窟(実際"ほら穴"と言うよりは"軒下"に近いのですが)やきれいな滝を見て、そしてとっても素敵なアメリカ式ピクニックランチをごちそうになりました(Weber教授の奥様に感謝!!)。本当に素敵な土曜日になりました。... いや、土曜日で良かったです、本当に。あまりに景色がきれいなのでとても長い距離を歩いたため、翌日日曜日は一日「お休み」状態でした。Weber 教授が若い頃クロスカントリーの選手だったということをもっと早く知っておくべきでした。
何はともあれ、ホッキング・ヒルズの美しい景色をお楽しみ下さい!
最初に訪れたのは、この地域の中心地、"老人の洞窟" (Old Man's Cave) 地区でした。ここでは谷底を流れる渓谷に沿って遊歩道があり、上流下流二つの滝(Upper Fall & Lower Fall) や"A"の形をした橋、そして"老人の洞窟" などを順番に訪れることができます。ここの"洞窟"は、巨大な岩が谷間に向かってせり出している形で、ちょうど斜めにできた大きなひさしのようになっています。





流れに沿って遊歩道をたどっていくと、"ヒマラヤ杉の滝" (Ceder Fall)という名前の小さな美しい滝にたどり着きます。この時期は滝の水量が一番少ない季節だそうで、滝壺も安全ということで子供達が水遊びをしていました。



遊歩道は丘を越えて続き、"灰の洞窟" (Ash Cave) と呼ばれる、これもまた大きな岩の"ひさし"にたどり着きます。面白いことに、その日、この"洞窟" の真ん中で、人々が結婚式のパーティーの準備をしていました。チェロやフルート、バイオリンを持った演奏家達はもう客を歓迎するための音楽を演奏していました。洞窟はとてもとてもよい反射板となって心地よい音響を作り出していましたし、"洞窟"の前の木々の間からは太陽の光がまた美しく差し込んであたりを照らしています。我々はパーティーが始まる前にその場所を後にしましたが、きっと素晴らしい結婚式になったに違いありません。


最後にもう一カ所、"Conkle の窪地" (Conkle's Hollow) と呼ばれる地区に立ち寄りました。ここは両側を丘に挟まれた狭い渓谷で、昼も暗くうっそうとしています。Conkle というのは人の名前で、1797年にこの地でキャンプをし、渓谷の岩に自分の名前を彫ったものが残っていたのでこの名前がついたとか。渓谷の入り口には 1797年当時のキャンプの様子を再現した展示もありました。珍しい器や道具などもあって興味深かったのですが、テントの横の木にははらわたを抜かれたキツネが逆さにぶら下がっていたりして「ああ、やはりアメリカ人は狩猟民族なんだなあ」と、狩りに親しみのない私は思ったのでした。


